天台太子

聖徳太子と天台宗のお勉強

ブッダ物語13 第三のしるし

王子とチャンナは、三度目の旅に出かけました。 二人は葬儀の行列に出会います。 葬儀に参列した人々は、胸をたたき、声を張り上げて泣いていましたが、運ばれてゆく遺体はそれと対照的に、まるで彫刻のように、じっと横たわっていました。 ついに、第三のサ…

ブッダ物語12 第二のしるし

王子の「老」の気づきから、王は、警備を強化し、王子がそのようなものを見ないように国中の人々に命じました。 しかし、王子は第二のサインを見てしまいます。 そのような王の心配をよそに、王子は再びチャンナと旅に出ます。 今度は、病人に出会いました。…

ブッダ物語11 妻と第一のしるし

ブッダも妻をもらう歳になりました。 父シュッドーダナ王は、適齢期の娘を王宮にあつめ、ブッダに選ばせました。 王子は、いとこのヤショーダラー(Yaśodharā)を選びます。 王は望んでいた彼女を王子が選んだことを非常に喜びました。 王子が29歳の誕生日を迎…

ブッダ物語10 シッダールタの慈しみ

ブッダの幼少期は、王子として学問や武芸を磨きました。 机に座って先生の授業を受ける姿のレリーフも残っています。 レリーフとは、壁などにほどこされた彫刻です。 七歳になったブッダは、しばしば、木の下で瞑想にふける時がありました。 ブッダの影は長…

『論語』を読んで思うこと

ようやく、『論語』を読み終えました。 いや〜いろいろ考えさせられましたね〜。良い本でした。 非常に勉強になりました。特に、中年の私にとっては。 著者が言うように、この改訂版には、「手がかり索引」「孔子略年譜」が付け加えられていて、とても便利で…

道心の中に衣食あり

最澄(さいちょう)の言葉に、 被弘二師。道弘人。人弘道。 道心之中,有衣食矣。 衣食之中,無道心矣。 「世の中には、二種類の先生がいます。 一つは、道という先生です。道(手立て)という先生は、人びとに正しい道を教えます。 もう一つは、人という先…

ブッダ物語9 養母と尼僧

ブッダの実の母は、ブッダが生まれて7日後に亡くなってしまいました。 私のような父親目線からみると、母親が亡くなってしまい、父親だけで子供を育てることを考えただけで、泣きそうです。 しかし、当時は一夫多妻(いっぷ・たさい)制、つまり、シュッドー…

ブッダ物語8 母の死

ブッダは、生まれてすぐに、「天上天下唯我独尊」(てんじょう・てんげ・ゆいが・どくそん)と言い、七歩歩いたとされます。これらは、どちらも伝説なのでしょう。 まず、ブッダは、生まれてすぐ、「天上の世界でも、天の下のこの世界でも、私は最も尊(とう…

ブッダ物語7 アシタの予言

王子が生まれたことで、カピラ城では盛大にお祝いがされました。 また、王子の誕生をお祝いするために、国中からさまざまな人が訪れました。 その中に、未来を見通せる神通力(天眼通/てんげんつう)を持つアシタ(Asita)仙人がいました。 「王子は、将来並外…

ブッダ物語6 階級制度

ブッダの生涯をお話しするには、必ず、当時インドの階級制度であるカースト制についてお話ししなければなりません。 当時のインドは、カースト制という階級制度がありました。この制度は、現在の私たちのように、勉強していい大学に入り、いい会社に就職した…

ブッダ物語5 母と懐妊

ブッダの母は、マーヤー(Māyā)と言います。 マーヤーは、「不思議な力」(supernatural power)や、「幻」(illusion)という意味です。 仏教の経典などで、「幻」の意味で使われる時は、真実に対する幻で、あまり良い意味ではありません。 もちろん、ブッダの母…

ブッダ物語4 父

ブッダの父は、シュッドーダナ(Śuddhodana)といい、カピラヴァストゥ(Kapilavastu)という小さな国の王です。 つまり、ブッダは、王子さまと言うことになります。 シュッドーダナの意味は、pure rice(清らかなお米)です。 また、Śuddhodana(シュッドーダナ…

ブッダ物語3 誕生日

日本では、ブッダの誕生日は、4月8日とされ、ブッダの誕生した姿をかたどった像に甘茶をかけてお祝いをする「花まつり」があります。 また、仏生会(ぶっしょう・え)や灌仏会(かんぶつ・え)などと言われます。 「仏生会」(ぶっしょう・え)とは、読んで…

ブッダ物語2 シッダールタ

シッダールタ(Siddhārtha)は誕生しました。 悟りを開いてブッダ(Buddha)になるまでのシッダールタという名称は、いや、悟った後もなくなった訳ではないのでしょう、「目的を達成した」という意味です。 幼少期の名前ですら素晴らしいです。すでに、「目的…

ブッダ物語1  十六国

こんばんは。今日から少しずつ、ブッダの生涯を書いていきたいと思います。 紀元前6世紀、現在のインドとネパールの国境に近いヒマラヤのふもとに、シャーキャ(Śākya)族という王族が治める小さな王国がありました。 ブッダはその国の王子として生まれます…

どちらが正しいか

こんばんは。 今、新型コロナウィルスの影響により、経済は困窮(こんきゅう)しています。これ以上の感染拡大を防ぐため、何が何でも接触は控えるべきだ!という意見と、このままでは、経済が破綻(はたん)する、一日も早くもとの生活に戻すべきだ!という…

あるべきようわ

こんばんは。 『論語』に、このような話があります。あるお弟子さんが孔子(こうし)先生に、政治とは何かについて聞きました。先生は、「主君(しゅくん)は、主君の義務を、大臣(だいじん)は、大臣の義務を、父親は、父親としての義務を、妻や子供は、妻…

対機説法(たいき・せっぽう)

こんばんは。 『論語』に、このような話があります。 子路(しろ)という名前の弟子が、孔子(こうし)先生に、「何かを学んだら、すぐにそれを実行してよいでしょうか」と尋ねました。 先生は、「お父さんが元気でおられる間は、よく考えて、お父さんにお聞…

過ぎたるはなお及ばざるがごとし。

こんばんは。 過(す)ぎたるは、なお及(およ)ばざるがごとし。 (過猶不及) 何かカッコイイ感じですね〜。白くて長いヒゲをはやしたお師匠様が弟子に人生の教訓(きょうくん)を述べる姿が浮かびます。(笑、あくまでイメージです)これは、 「やり過ぎ…

十方の下方

こんばんは。 このブログの月間アクセス数が1000に達しました!! 読者数も111人!(ぞろ目!)です。 みなさまのおかげです。本当にありがとうございます! 今日は、前回、十方(じっぽう)「十の方角」で、宿題にしていた下の方角が分かりましたので紹介し…

新字体と旧字体と異体字

こんばんは。 「部屋とワイシャツと私」のようなタイトルになりました(笑) 昨日は、ずら〜と敬礼(けいれい)が並びました。 「一心敬礼」(いっしん・けいれい)「ひたすらに、けいれい」の言葉から始まり、さまざまな仏(ぶつ)、菩薩(ぼさつ)に敬礼し…

再び敬礼!

こんばんは。 今日は、法華懺法(ほっけ・せんぼう)のつづきです。 ここからは、個別の敬礼が続きます。ずら〜〜〜〜〜と、敬礼する対象が続きますので、今日は、すべてお見せします。 以前からお伝えしてある。「三宝」(さんぼう/さんぽう)と、「十方」…

こんばんは。 そういえば、このブログのテーマでもある聖徳太子(しょうとく・たいし)について全く触れていませんでした。 聖徳太子という名前が、文献(ぶん・けん)出てくるのは、亡くなってからずいぶん後になってからだそうです。 厩戸皇子(うま・やど…

手で食べること

こんばんは。 私には、一歳になったばかりの娘がおりまして、彼女は食事をする時、私がスプーンで口に運ぶか、もしくは、彼女自身の手で食事をしています。 こんな話を聞いたことがあります。 日本人「インド人の君は手で食事をして下品だなぁ」 インド人「…

三密

こんばんは。 今何かと話題の「三密」。 密閉、密集、密接の三つを指すらしいですが、仏教を少しかじった人なら、 何かどこかで見たような?と思われるのでは? 特に、密教(みっきょう)では、この「三密」の「三」は、身・口・意(しん・く・い)、つまり…

口伝と書写

こんばんは。 近々、本格的にブログのサイトを立ち上げようと思いまして、今日は、その勉強で一日が過ぎてしまいまた。 今日のお題は「口伝(くでん)と書写(しょしゃ)」です。 書写とは、書き写すことで、写経(しゃきょう)という言葉をご存知だと思いま…

袈裟(けさ)

こんばんは。 今日は、「袈裟」(けさ)について考えたいと思います。 漢字を見れば、「衣」(ころも)が入っています。 つまり。衣類です。誰の衣類かと言うと、お坊さんが着る着物です。 インドのお坊さんは、こんな感じ↓ 何か、日本のお寺で見るお坊さん…

十方(じっぽう)

こんばんは。 今日のお題は「十方」(じっぽう)。 何度か出てきたと思います。ご覧の通り、「十の方角」を意味します。 仏教では、「あらゆる方角」を意味する言葉です。 「十方仏」(あらゆる方角の仏さまに)といいますね。 では、「十」とはなんぞや? …

ダーナ(dāna)

こんばんは。 昨日紹介したサンスクリット語でdāna(ダーナ)、つまり、「布施」(ふせ)ですが、以前に紹介した音写(おん・しゃ)を覚えておられるでしょうか。ヨロシク(夜露死苦)です(笑)。 今日は、その方向から見てみましょう! 実は、このダーナに…

供養と布施

こんばんは。 今日は、「供養」(くよう)について考えたいと思います。 昨日は、仏さまや、三宝に供養するという言葉が出てきました。 供養って、お供えですよね。 今日はいろいろな言語で見ていきましょう。 供養のサンスクリット語は、paricaryā(パリチ…