天台太子

聖徳太子と天台宗のお勉強

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ブッダ物語20 六師外道

ブッダは、師を求めました。これは、苦からの解放を求める修行者の通例の行動です。 当時のインドは、多くの弟子を持つ教団がすでにありました。 有名な指導者として、六師外道(ろくし・げどう)がいます。 外道(げどう)という呼び名は、現在では良い響で…

漢文物語2

漢文は、原漢文(げんかんぶん)といって、本来、点も、丸も、送り仮名も何も付いていません。 ですから、どのように読むかは、自身でマークを付けます。 たとえば、三番目にある漢字の次に、二番目にある漢字を読む場合は、 レ点というものを付けます。 こ…

漢文物語1

漢文は、主語がなくても成立します。 例えば、 千慮一失(どんな立派な賢者でも、一度ぐらい間違いがある) とありますが、これは、「千慮に一失あり」と読んで、「千慮に」は主語ではなく、副詞です。ですから、この文に主語はありません。 私たちは英語の…

音博士(おんはかせ)

どうも、『日本書紀』の謎を解くには、音博士という当時の言語学の先生がキーワードのようです。 私たちが、外国語を学ぶとき、読む、聞く、話すが修得できることを目的とします。 英検などもそうですね。 この中の、「読む」ときには、訓点というものがあっ…

日本書紀の謎を解く2

一番、大事なことを書くのを忘れていました。 この本は、『日本書紀』の内容を三つに分類出来ることが書かれています。 つまり、別々の作者がいて、一人で書かれたものではないということを書いています。 著者は、『日本書紀』全三十巻を、β郡、α郡、巻三十…

日本書紀の謎を解く1

『日本書紀の謎を解く』を読み終えました。 いや〜最高でした。めちゃめちゃ勉強になりました。 聖徳太子の勉強で、『日本書紀』を読むのですが、「何でこんな読み方するの?」とずっと疑問に思っていました。 厩戸豐聰耳皇子(うまやどの・とよとみみの・み…

ブッダ物語19 コンダンニャとの再会と苦行の始まり

王子は、さすらいの旅を始めました。 このような人は、当時のインドでは珍しくないそうです。 王子は、食べ物を乞い、どこにでも寝泊まりするごく当たり前の修行生活に入りました。 人々は、王子を、聖者、苦行者、また、王子をよく知る人は、ガウタマと姓で…

ブッダ物語18 旅立ちとカンタカ

王子が侍者チャンナと共に、カピラ城を静かに抜け出したのは、真夜中のことでした。 王子は、はじめて、立ち止まり宮殿を振り返りました。彼が生まれ育った地のすべての知人や肉親が住む宮殿は、月明かりの中に寝静まっていました。 夜通し馬を走らせ、ふた…

ブッダ物語17 決意

シュッドーダナ王は、ブッダを引き留める最後の手段として、孫ラーフラの誕生を祝う華やかな祝宴を用意しました。 国中から、歌手や踊り子が招待され、この上ない豪華な食事が用意されました。 夜がふけるにつれて、王子はうたた寝を始めました。 やがて踊り…

ブッダ物語16 息子ラーフラ

沙門を見て感動した王子は、今度は、宮殿に戻らず、物思いにふけりながら馬車を走らせ、旅の目的地にしていた遊園にたどり着きました。 そして、考えました。 「私は、あの苦行者のようにならなければならない。今日、この日、私も出家しよう。 そして、うわ…

ブッダ物語15 沙門

第四のサインで出会った苦行者、つまり、沙門(しゃもん、シュラマナ、śramaṇa)は、前にお話ししたカースト制であるバラモン、クシャトリヤ、ヴァイシュヤ、シュードラの四つに含まれません。 沙門(しゃもん)は、当時の新しい形の宗教家・自由思想家たち…

ブッダ物語14 第四のしるし

ブッダはついに最後のサインに出会います。 四度目の旅は、絶望的ではありませんでした。 剃髪(ていはつ)した男が、柔らかい朝日に輝くオレンジ色の衣をまとい、鉢を手にして素足で立っていました。 その表情は、今まで見た人達と違い、穏やかで、物思いに…

ブッダ物語13 第三のしるし

王子とチャンナは、三度目の旅に出かけました。 二人は葬儀の行列に出会います。 葬儀に参列した人々は、胸をたたき、声を張り上げて泣いていましたが、運ばれてゆく遺体はそれと対照的に、まるで彫刻のように、じっと横たわっていました。 ついに、第三のサ…

ブッダ物語12 第二のしるし

王子の「老」の気づきから、王は、警備を強化し、王子がそのようなものを見ないように国中の人々に命じました。 しかし、王子は第二のサインを見てしまいます。 そのような王の心配をよそに、王子は再びチャンナと旅に出ます。 今度は、病人に出会いました。…

ブッダ物語11 妻と第一のしるし

ブッダも妻をもらう歳になりました。 父シュッドーダナ王は、適齢期の娘を王宮にあつめ、ブッダに選ばせました。 王子は、いとこのヤショーダラー(Yaśodharā)を選びます。 王は望んでいた彼女を王子が選んだことを非常に喜びました。 王子が29歳の誕生日を迎…

ブッダ物語10 シッダールタの慈しみ

ブッダの幼少期は、王子として学問や武芸を磨きました。 机に座って先生の授業を受ける姿のレリーフも残っています。 レリーフとは、壁などにほどこされた彫刻です。 七歳になったブッダは、しばしば、木の下で瞑想にふける時がありました。 ブッダの影は長…

『論語』を読んで思うこと

ようやく、『論語』を読み終えました。 いや〜いろいろ考えさせられましたね〜。良い本でした。 非常に勉強になりました。特に、中年の私にとっては。 著者が言うように、この改訂版には、「手がかり索引」「孔子略年譜」が付け加えられていて、とても便利で…

道心の中に衣食あり

最澄(さいちょう)の言葉に、 被弘二師。道弘人。人弘道。 道心之中,有衣食矣。 衣食之中,無道心矣。 「世の中には、二種類の先生がいます。 一つは、道という先生です。道(手立て)という先生は、人びとに正しい道を教えます。 もう一つは、人という先…

ブッダ物語9 養母と尼僧

ブッダの実の母は、ブッダが生まれて7日後に亡くなってしまいました。 私のような父親目線からみると、母親が亡くなってしまい、父親だけで子供を育てることを考えただけで、泣きそうです。 しかし、当時は一夫多妻(いっぷ・たさい)制、つまり、シュッドー…

ブッダ物語8 母の死

ブッダは、生まれてすぐに、「天上天下唯我独尊」(てんじょう・てんげ・ゆいが・どくそん)と言い、七歩歩いたとされます。これらは、どちらも伝説なのでしょう。 まず、ブッダは、生まれてすぐ、「天上の世界でも、天の下のこの世界でも、私は最も尊(とう…

ブッダ物語7 アシタの予言

王子が生まれたことで、カピラ城では盛大にお祝いがされました。 また、王子の誕生をお祝いするために、国中からさまざまな人が訪れました。 その中に、未来を見通せる神通力(天眼通/てんげんつう)を持つアシタ(Asita)仙人がいました。 「王子は、将来並外…

ブッダ物語6 階級制度

ブッダの生涯をお話しするには、必ず、当時インドの階級制度であるカースト制についてお話ししなければなりません。 当時のインドは、カースト制という階級制度がありました。この制度は、現在の私たちのように、勉強していい大学に入り、いい会社に就職した…

ブッダ物語5 母と懐妊

ブッダの母は、マーヤー(Māyā)と言います。 マーヤーは、「不思議な力」(supernatural power)や、「幻」(illusion)という意味です。 仏教の経典などで、「幻」の意味で使われる時は、真実に対する幻で、あまり良い意味ではありません。 もちろん、ブッダの母…

ブッダ物語4 父

ブッダの父は、シュッドーダナ(Śuddhodana)といい、カピラヴァストゥ(Kapilavastu)という小さな国の王です。 つまり、ブッダは、王子さまと言うことになります。 シュッドーダナの意味は、pure rice(清らかなお米)です。 また、Śuddhodana(シュッドーダナ…

ブッダ物語3 誕生日

日本では、ブッダの誕生日は、4月8日とされ、ブッダの誕生した姿をかたどった像に甘茶をかけてお祝いをする「花まつり」があります。 また、仏生会(ぶっしょう・え)や灌仏会(かんぶつ・え)などと言われます。 「仏生会」(ぶっしょう・え)とは、読んで…

ブッダ物語2 シッダールタ

シッダールタ(Siddhārtha)は誕生しました。 悟りを開いてブッダ(Buddha)になるまでのシッダールタという名称は、いや、悟った後もなくなった訳ではないのでしょう、「目的を達成した」という意味です。 幼少期の名前ですら素晴らしいです。すでに、「目的…

ブッダ物語1  十六国

こんばんは。今日から少しずつ、ブッダの生涯を書いていきたいと思います。 紀元前6世紀、現在のインドとネパールの国境に近いヒマラヤのふもとに、シャーキャ(Śākya)族という王族が治める小さな王国がありました。 ブッダはその国の王子として生まれます…

どちらが正しいか

こんばんは。 今、新型コロナウィルスの影響により、経済は困窮(こんきゅう)しています。これ以上の感染拡大を防ぐため、何が何でも接触は控えるべきだ!という意見と、このままでは、経済が破綻(はたん)する、一日も早くもとの生活に戻すべきだ!という…

あるべきようわ

こんばんは。 『論語』に、このような話があります。あるお弟子さんが孔子(こうし)先生に、政治とは何かについて聞きました。先生は、「主君(しゅくん)は、主君の義務を、大臣(だいじん)は、大臣の義務を、父親は、父親としての義務を、妻や子供は、妻…

対機説法(たいき・せっぽう)

こんばんは。 『論語』に、このような話があります。 子路(しろ)という名前の弟子が、孔子(こうし)先生に、「何かを学んだら、すぐにそれを実行してよいでしょうか」と尋ねました。 先生は、「お父さんが元気でおられる間は、よく考えて、お父さんにお聞…